アイスコーヒーの味が決まらないとき、豆と水は見直しても氷を疑う人はほとんどいません。
けれど氷は、溶ければそのままコーヒーに混ざります。
つまり氷は「あとから加わる水」です。ここが濁っていると、豆で挽回できません。
冷蔵庫の自動製氷機は、水道水をそのまま凍らせています。
そこで2つのことが起こります。
「アイスコーヒーだけなぜか美味しくない」という場合、原因が氷にあることがあります。
家庭で作る氷が白く濁るのは、水に溶けていた空気と不純物が凍る過程で中心に集まるためです。
市販のロックアイスが透明なのは、時間をかけてゆっくり凍らせ、この空気と不純物を除いているからです。
そして透明な氷には、味以外の利点があります。
沸騰させると塩素が抜け、溶けていた空気も減ります。
冷ましてから製氷皿に入れて凍らせてください。
塩素の抜き方は「コーヒーに水道水はまずい?カルキの抜き方」にまとめています。
製氷皿をタオルや発泡スチロールで包んで冷凍庫に入れると、凍る速度が落ちて透明に近づきます。
急速冷凍は白く濁ります。
氷は匂いを吸います。
製氷室に他の食品を置かない。これだけで雑味が減ります。
できた氷は密閉袋に移してください。
冷凍庫に長く置いた氷は、表面が乾いて縮み、匂いを吸い込んでいます。
アイスコーヒー用の氷は1週間以内を目安に使い切ってください。
手間をかけずに確実性を取るなら、市販のロックアイスが早いです。
純水に近い水で作られており、透明で溶けにくく、匂いもありません。
特にこの2つの場面では、差がはっきり出ます。
氷は少ないほうが薄まります。
直感とは逆ですが、理由はこうです。
氷が少ないと、コーヒーの熱で急速に溶けきってしまいます。
グラスいっぱいに入れておくと、全体の温度が早く下がり、溶ける量はかえって少なくなります。
急冷ドリップの手順は「アイスコーヒーの急冷ドリップ」で詳しく解説しています。
硬度の高い水は、凍らせると白く濁りやすくなります。
氷にするなら硬度の低い軟水か、一度沸かした水道水のほうが扱いやすいです。
硬度を活かしたいのは抽出に使う水のほうで、氷は「余計なものが入っていない」ことを優先してください。
薄まらないという点では有効です。
ただし凍らせたコーヒーは風味が落ちるため、溶けたときに香りの弱い部分が混ざります。
前日の残りを活用する方法として考えると、無駄が出ません。
給水タンクは週に1回、水を捨てて洗ってください。
タンクに水を入れっぱなしにすると、雑菌やぬめりの原因になります。
製氷皿の場合も、使うたびに洗って乾かすほうが匂い移りを防げます。
氷は「あとから加わる水」です。
家庭の製氷機の氷には塩素が残り、冷蔵庫の匂いも吸っています。
一度沸かした水でゆっくり凍らせるか、市販のロックアイスを使う。
そしてグラスいっぱいに入れる。これだけでアイスコーヒーの印象が変わります。
抽出に使う水の話は「コーヒーに合う水の選び方」、 水出しの場合は「水出しコーヒーに使う水」をどうぞ。