同じ豆、同じ器具、同じ淹れ方でも、住んでいる場所で味が変わります。
水道水の硬度が地域によって違うからです。
この記事では、全国調査の数値をもとに、地域差がコーヒーにどう出るかを整理します。
東京大学が2024年に行った全国調査によると、日本の水道水の平均硬度は50.5 mg/Lでした。
WHOの区分では120 mg/L未満が軟水なので、日本の水道水は全国的に軟水です。
ここで、スペシャルティコーヒー協会(SCA)の基準と並べてみます。
つまり日本の水道水は、平均で見ると推奨レンジのちょうど下限に位置しています。
「ぎりぎり入っている」という状態です。
| 地域 | 硬度の目安 | SCA基準との関係 |
|---|---|---|
| 千葉県 | 約97 mg/L | レンジのど真ん中。全国でも高い部類 |
| 関東地方 | 高め の傾向 | レンジ内に収まりやすい |
| 全国平均 | 約50.5 mg/L | 下限ぎりぎり |
| 北海道・東北 | 約30 mg/L前後 | 下限50を下回る |
※同じ都道府県内でも水源によって差があります。正確な数値は各自治体の水道局が公表しています。
SCAの資料では、硬度が40 ppmを下回ると抽出不足の風味になりやすいとされています。
北海道・東北の約30 mg/Lは、この40も下回る水準です。
症状としてはこう出ます。
これは淹れ方が下手だからではありません。
水にミネラルが足りず、成分を引き出しきれていない状態です。
関東のように硬度が高めの地域は、SCAレンジに収まりやすく有利です。
ただし硬度が高いほど成分が出やすいため、過抽出には注意が必要になります。
苦味や渋みが立つと感じるなら、挽き目を粗くする・抽出時間を短くするなどで調整してください。
「コーヒーの雑味の原因と対策」も参考になります。
引っ越しでコーヒーの味が変わった、という経験がある方は、まずここを確認してみてください。
硬度が低い地域では、浄水器では解決しません(浄水器は塩素を取りますが、硬度は上げられません)。
現実的な選択肢はこうなります。
銘柄別の硬度は「コーヒーに合うミネラルウォーター」にまとめました。
日本の水道水の平均硬度は50.5 mg/L。SCA推奨レンジ(50〜175)の下限あたりです。
北海道・東北は約30 mg/Lで下限を下回り、千葉県は約97 mg/Lとレンジの中央にあります。
「引っ越したら味が変わった」は気のせいではありません。
まずは水道局の水質データで、自分の地域の数字を確認してみてください。
味が薄いと感じるなら「コーヒーが薄いのは水のせいかもしれない」、 水の基礎は「コーヒーに合う水の選び方」をどうぞ。